これだけある!ケーブル接続端子の種類(3)
掲載日:2012/07/10S/PDIFコアキシャル(coaxial:同軸)端子
アナログのRCA端子と同じ形状で、1本でステレオのデジタルオーディオ信号を扱うことができるほか、対応機器であればDolby AC-3やDTSといった圧縮サラウンドのデータも送ることができるようになっています。ケーブルのインピーダンスが75Ωと定められているため、これに準拠したデジタル用のケーブル以外を使用するとトラブルが生じる場合があります。
S/PDIFオプティカル(optical:光)端子
光ファイバーケーブル1本でステレオのデジタルオーディオ信号を送ることができ、角型と丸型の2種類の接続端子が存在しています。なお、角型・丸型とも信号は同じものです。上記のS/PDIFコアキシャルとデータの規格自体は同一で、伝送方法の違いのみとなっています。
ADATオプティカルとは?
アメリカのAlesis社が提唱した規格で、S/PDIFオプティカルと同じ接続端子・ケーブルを使用して8chのオーディオデータを扱えるようにしたものです。一部のレコーディング機器などで採用されていますが、一般的なオーディオ機器はほとんどがこの規格には対応していません。RME製品では、機器によってS/PDIFとADATの切り替えが必要となることがありますので注意が必要です。
AES/EBU端子
アナログのXLR端子と同じコネクターを使用し、これも1本でステレオのデジタルオーディオ信号を送ることができます。主に業務用音響機器で使われ、XLR端子以外にもいくつかの異なる接続端子を利用した伝送方法が規格で定められています(※本稿では割愛します)。
XLR端子での接続の場合、ケーブルのインピーダンスが110Ωと定められています。また、AES/EBUでは電圧が0.2~5Vppと規定されていますが、日本のEIAJ(現在のJEITA)が独自に策定した規格では3~10Vppと異なる電圧が採用されていたため、一部の国内メーカーで国際規格に非準拠の仕様となっていることがあります。
ワードクロック端子
デジタルオーディオでは信号の受け渡しのタイミングを機器同士で同期させる必要があり、この同期信号を「ワードクロック」と呼んでいます。通常、出力する機器から入力する機器への接続が1対1の場合には、受け渡されたデジタルオーディオ信号からタイミングを検出しますが、複数の機器をパラレル(並列)でデジタル接続する場合や、受け側の機器をデジタル同期のマスター(親)にしたい場合などに、このワードクロックのみをオーディオ信号とは別に接続することで、同期を取るためのものです。
BNCという接続端子を使い、インピーダンスが75ΩのケーブルでOUTからINへ接続します。ターミネーション(終端処理)を解除することでT字コネクターでの分配も可能となっていますが、一般的なオーディオ用途ではそこまでの規模で利用するケースはまずありません。